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(回答先: 泉谷渉氏次世代ディスプレイ怪気炎 経済倶楽部講演・抄 伏字有り(`_´) 投稿者 やました 日時 2005 年 5 月 20 日 23:41:17)
同業・官・学を敵に回したソニー
次に事業再編の動きです。問題はソニーです。どうも最近のソニーさんのご様子はおかしい。生命保険、映画、アミューズメントではえらく儲けておられるようですが、本業のエレクトロニクス部門ではほとんど利益が出ていません。しかも、DVDレコーダーも、プラズマテレビも、常に業界最後発。どうしたんですかね。常に先頭を走ってきたソニーが、この2年間、全部後手です。最後発ばかりです。
実は、「プレステ2」もそうだったんです。ゲーム機が全部出そろったところで、セガ、任天堂に先に行かせておいて、「プレステ2」で一気にシェアを取って、ゲーム機では今勝っている。
ソニーの首脳陣に聞いたんです。「プレステ2の成功で、先行ぶっち切りの戦略をやめて、後方からどんじり、追い込みタイプに脚質が変わったんですね」と言ったら、「おまえ、嫌なやつだなあ。ばか言うんじゃないよ。先行できるものならしたい。だけどできないんだよ」と言っていました(笑)。本音でしょうね。技術が追いついてこないのでしょうね。
情けないことに、プラズマテレビに使うパネル(PDP)をソニーは自分で作れません。富士通とか日立とかから買っているんです。液晶テレビ用の液晶も全部外から買っている。自社開発できません。このままだったら、心臓部分を抑え込まれたソニーは液晶テレビが作れなくなりますね。
日本メーカーが囲い込んでいってソニーに供給しないという状態を作ると、かつてのシャープと同じになる。それを恐れて、あろうことかサムスンと全面提携した。サムスンから全量(液晶の)供給を仰ぐということで、技術提携と生産提携をして、サムスン・ソニー連合軍を結成したんですが、ツケは大きいですね。
この話が出たのが去年の夏ごろだったですかね。僕はすぐ経産省へ行って、幹部に、「とうとうソニーはこんなことになりましたぜ」と言ったら、「あの国賊やろうが」「売国奴が」と。「そういう言葉は今でもあるんですか」と僕は聞いたんですが、「いや、あいつは売国奴だ」と言っている。半導体の国家プロジェクトは「あすか」「みらい」と、4つぐらい立っています。液晶の国家プロジェクトも4本ぐらいあって、次世代の開発プロジェクトはみんな共同でやっているんですけれども、ソニーは全部除名されました。「サムスンと組むなら出ていけ」ということで、すべてのプロジェクトから放擲されました。サムスンと組んだツケは大きかったなあ。おまけに売国奴呼ばわりですよ。かわいそうじゃないですか。ひどいものですよね。
いずれにしても、ソニーは、サムスンとの提携で安目を売ったと言われています。ただサムスンの技術力は非常に高いですから、ビジネス上は成功する可能性は強いと思います。ただ行政、政府、大学と、全部を敵に回してしまったわけですから、損得勘定で言うと、この提携はちょっと損したかもしれないですね。
さっきも言ったように、日立・松下・東芝連合軍が今やろうとしている。三洋・エプソンは液晶事業を統合しスケールメリット追求。NECは中国と組んでいる。上海広電という中国を代表する、3本の指に入るパソコンメーカーと組んで、NECは中国上陸作戦です。日本国内の市場は完全にもう捨てましたね。
プラズマディスプレイは液晶よりはまだ出荷台数は低いです。けれども300万、もっといっているんじゃないですかね。とにかく去年も倍増しました。
ここは実はビッグ5しか残ってないんです。合従連衡が行われたので。韓国のサムスン、LGはもちろん強い。日本でトップが富士通・日立。これは連合軍です。富士通日立プラズマディスプレイと言います。第2位が東レ・松下の連合軍で、第3位がパイオニアとNECの連合軍ですね。
それぞれ巨大工場をばんばんやっています。東レ・松下は兵庫県尼崎に950億円を突っ込んで世界最大規模の新工場を建設中です。富士通・日立は宮崎に数万平米の用地を確保したので、2月か3月着工で、750億円突っ込んで新工場を作ります。
パイオニアは、NECと組んだことをきっかけに、今、用地が不足していますので、たぶん大森本社工場を売却するんじゃないですか。あれを売ればとんでもない金額になりますから、売って勝負をかけると思います。今、僕のところに入ってきている情報は、九州方面に10万から15万平米の用地を探しているということで、やるのはプラズマディスプレイ。おそらく九州で500億円とか800億円で大勝負をかけると思われますけれども、実は記事にも書いてない。今追いかけている最中です。いずれにしても、プラズマの投資もどんどん進んでいて、このビッグ5でほとんどシェアは決まっているということです。